2025.07.05

これってカスハラ?──最新ルールで読み解く「顧客対応」グレーゾーン判定ガイド|雇用クリーンプランナー

「顧客は神様だから…」と我慢していませんか? 2025年4月に東京都カスタマーハラスメント防止条例が施行され、カスタマーハラスメント(カスハラ)は〈放置すれば企業も処罰対象になるリスク〉へとシフトしました。
本記事では「これってカスハラ?」と迷う場面を判断するチェックポイントと、最新法令・ガイドラインを踏まえた企業の必須アクションを解説します。

■ 1. カスタマーハラスメントの基本構造

厚生労働省の企業向けマニュアルでは、カスハラを
「顧客からの不当な言動により、従業員の就業環境が害される行為」
と定義しています。
「不当な言動」とは、暴言・脅迫・土下座要求・過剰な値引き強要・長時間拘束など、社会通念上許容されない要求を指します。

■ 2. 2025〜2026年の法改正・条例トレンド

  • 東京都カスハラ防止条例(2025年4月施行)
    ・都内全事業者に〈カスハラ防止措置の努力義務〉を課す
    ・「正当クレーム」と区別しつつ、不当要求を明確に禁止
  • 改正労働施策総合推進法(2026年予定)
    ・カスハラ対策を全国レベルで事業主の義務に格上げ(相談窓口・研修・再発防止策など)
  • 厚労省マニュアル(2022年版)
    ・クレームを〈正当/不当〉に分類し、対応フローを提示

■ 3. チェックリストでグレーゾーンを判定

  1. 業務上の必要性:要求が商品・サービスの合理的改善に繋がるか?
  2. 言動の態様:人格攻撃・差別語・暴力・脅迫が含まれていないか?
  3. 要求の程度:時間・金銭・行為が社会通念を逸脱していないか?
  4. 反復性・執拗さ:同内容を長時間・多数回にわたり要求していないか?
  5. 就業環境への影響:従業員が恐怖や疲弊で業務継続困難になっていないか?

上記5項目のうち3つ以上該当すれば、カスハラの可能性が高いと判断し、速やかにエスカレーションしましょう。

■ 4. よくある“迷いどころ”4シーン

シーン 顧客の言動 判定と根拠
宅配誤配 「責任者を家まで土下座に来させろ」 アウト:人格攻撃+過剰要求。
飲食店の提供遅延 返金+食事無料を同時要求 アウト:二重補償は不当。業務上必要性なし。
病院の待ち時間 「他の患者より先に診ろ」 アウト:差別的優遇要求は不当。
コールセンター 30分の謝罪通話要求 グレー:初回であれば警告→対応、長時間反復ならカスハラ。

■ 5. 最新ルールを踏まえた実務対策

  1. 社内ポリシーの策定・周知:東京都条例に準拠し、正当クレームとの線引きを明文化。
  2. 一次対応マニュアルの整備:録音・時間測定・複数人対応など証拠保全手順を標準化。
  3. 相談窓口+メンタルケア:24時間匿名フォームを用意し、産業医・カウンセラーと連携。
  4. 教育・研修の義務化:年1回以上、ケーススタディとロールプレイを実施。

■ 6. 雇用クリーンプランナーで最新知識をキープ

「雇用クリーンプランナー」はハラスメント防止のエキスパート資格
20時間超の動画講義+200ページ超テキストで、カスハラ予防知識と現場対応力を体系的に学べます。

  • YouTubeチャンネルの最新解説で研修資料を常にアップデート!
  • 実例ドラマをロールプレイ素材に転用→研修準備コストを大幅削減。
  • 有資格者が相談窓口に立つことで、従業員の安心感と受付率が向上。

▶ 詳細は 一般社団法人クレア人財育英協会 公式サイト

■ まとめ──「これってカスハラ?」を即答できる職場へ

カスタマーハラスメントは、顧客満足と従業員保護のバランスを取ることが鍵です。
最新法令・条例を踏まえたルール策定と、雇用クリーンプランナーで培う判断力・対処力を武器に、
「これってカスハラ?」の迷いに即答できる組織を目指しましょう。

■ FAQ――「これってカスハラ?」よくある質問

Q. 正当なクレームとの違いは?
要求内容が商品・サービスの欠陥と合理的に結びつき、過度な時間・金銭・行為を伴わない場合は正当クレームです。
Q. 小規模事業者でも条例対応は必要?
はい。東京都条例は事業規模を問いません。ガイドラインを参考に防止措置を講じてください。
Q. 社員がカスハラを受けたらまず何をする?
安全確保→記録保全→相談窓口へ報告、の3ステップを徹底しましょう。

※本記事は一般情報を基に作成しています。個別事案は弁護士・社労士など専門家へご相談ください。

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