2025.06.04
パナソニックグループ「カスタマーハラスメント対応方針」から考える最新ハラスメント対策|雇用クリーンプランナー
■ ニュースの概要・引用元の紹介
ニュースURL: パナソニック コネクト「カスタマーハラスメント対応方針」(2025年6月公表)
引用内容:
パナソニック コネクト グループは、顧客等からの過度な要求や暴言・威嚇などを「カスタマーハラスメント」と定義し、従業員の尊厳を守るため「組織として毅然と対応」「法務部門・警察とも連携」「録音・録画等の証拠確保」を明示する基本方針を策定。悪質行為には対応を中止する可能性も示しています。
■ 問題点の把握
本ニュースが浮き彫りにするのは「カスタマーハラスメント(カスハラ)」です。従来の「パワハラ」「セクハラ」と異なり、顧客や取引先が加害者となる点が特徴で、B2B・B2Cを問わず増加傾向にあります。背景には
①サブスク化による継続的接点
②SNS拡散リスクによる「声の大きいクレーム」優先
③人手不足でフロントが疲弊
が挙げられ、製造業からサービス業まで業界横断の課題です。
■ 問題点・深刻化する理由
- 境界線のあいまい化
「顧客第一」の企業文化が不当要求と正当なクレームの線引きを曖昧にし、現場が対応をエスカレートさせやすい。 - 法制度の“空白地帯”
パワハラ防止法が職場内の行為を対象とする一方、顧客起因のハラスメントは努力義務レベルで、具体的指針は企業任せになりがち。 - ブランド失墜リスクの高騰
SNSでの炎上・口コミ低評価が即売上に直結し、「顧客を切る」判断を遅らせる要因に。結果的に従業員の離職→サービス品質低下→さらなるクレームという負の連鎖を招く。
■ 雇用クリーンプランナーの視点でみる具体的な対策
雇用クリーンプランナーは「ハラスメント対策」「労務トラブル予防」「雇用管理」の3領域を統合する資格です。
以下の6ステップは、同資格を用いた対策モデル案です。
● 証拠の可視化で自衛力を高める
録音・録画・チャットログなどの一次証拠を体系的に保全。厚労省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、事実確認の迅速化が被害最小化の鍵と強調されています。
厚労省マニュアル(PDF)
● 就業規則と対応マニュアルの二層構造
就業規則:原則と方針
対応マニュアル:手順とテンプレ
二層で整備し、エスカレーションフローを明文化。雇用クリーンプランナーが法改正・判例更新を年次レビューします。
● 相談窓口+メンタルケアの並走
社内チャットボットで24h受付→一次対応担当(ECP保持者)が面談→必要に応じ産業医・公認心理士へ連携。
中長期的フォローにEAPを活用し、離職抑止と復職支援を両立。
● 事例ロールプレイ研修で「受け手軸」を体感
「土下座要求」「長時間拘束」など実録ケースを演じ、受け手の心理負荷を共有。行為者の自覚向上意識を改革。
● リスクスコアリングとKPI化
ハラスメント件数・平均対応時間・従業員満足度を月次で可視化し、経営層へダッシュボード報告。一次対応KPIを「72時間以内の沈静化」に設定し、迅速に対処。
● 法務・警察との即時連携プロトコル
悪質クレームを刑事・民事の観点で切り分け、警察110番・弁護士ホットラインを回線分けで準備。
「毅然とした対応」は、従業員の萎縮防止と顧客行動の抑止に直結します。
■ よくある質問(FAQ)
- Q. カスタマーハラスメントは法律で禁止されていますか?
- 現時点で直接規制する法律はありませんが、企業には安全配慮義務があり、従業員が被害を受けないよう対策する責任があります。
- Q. 小規模事業者でもパワハラ防止措置は義務ですか?
- はい。2022年4月から中小企業を含む全事業主にパワハラ防止措置が義務化されています。
- Q. 雇用クリーンプランナー資格は未経験でも取得できますか?
- 年齢・職歴不問で受講可能です。人事担当者・店舗マネージャー・管理職など幅広い方が受講しています。
■ まとめ(読者への注意喚起・アドバイス)
カスタマーハラスメントは放置すれば労務トラブル、ブランド毀損、人材流出に直結し、企業体力を奪います。今日からできる第一歩は「証拠を残し、毅然と断るラインを決める」こと。疑わしいケースでは社労士や弁護士、行政の相談窓口を活用し、早期対応が鍵です。
● 「雇用クリーンプランナー」資格取得のススメ
「雇用クリーンプランナー」は、ハラスメント対策の専門家として社内外で活躍できる実践資格です。
主な活用例: 相談窓口担当/研修講師/就業規則改訂プロジェクトリーダー/カスハラ対策チーム顧問
オンライン完結・24時間学習可、500名超の修了生が全国で活躍中。
公式サイト:https://caa.or.jp
※詳しいカリキュラムや受講費用は上記リンクをご確認ください。
外部参考:厚労省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」公開ページ
※本記事は一般的情報に基づいて作成しており、特定の法的アドバイスを行うものではありません。個別事案については弁護士または労働局・自治体相談窓口へご相談ください。