2025.10.29

中学教諭が剣道部員を突き飛ばし重傷──「指導の一環」と一部否認、文書訓告の対応に疑問の声

【出典】茨城新聞クロスアイ(2025年10月28日配信)
「部活指導の一環」 男子生徒突き飛ばし、重傷負わせる 容疑で中学教諭逮捕 容疑一部否認 生徒は現在も治療中 茨城県警桜川署


剣道部活動中に暴行、男子生徒が重傷 中学教諭を傷害容疑で逮捕

茨城県警桜川署は28日、部活動中に男子生徒を突き飛ばすなどの暴行を加え重傷を負わせたとして、桜川市立岩瀬東中学校の男性教諭(37)傷害の疑いで逮捕しました。
事件が起きたのは前任校で、当時教諭は剣道部の顧問。
警察によると、男は「部活動の指導の一環だった」と一部容疑を否認しています。


脳脊髄液漏出症などの重傷 生徒は今も治療中

逮捕容疑は2023年10月19日午後4時15分〜5時半ごろ、同市の義務教育学校で剣道部員の男子生徒(当時13歳)に対し、複数回突き飛ばすなどして脳脊髄液漏出症を負わせた疑い。
この疾患は、硬膜から髄液が漏れ、頭痛やめまいなどを引き起こすものです。
男子生徒は現在も治療中で、登校できずオンライン授業を受けている状況です。


被害届提出は発生から約1年後 市教委は文書訓告のみ

事件発生から約1年後の2024年11月、生徒の関係者が被害届を提出。
県警が暴行とけがの因果関係を調べていました。
一方、市教育委員会は事件発生5日後に報告を受けながらも、懲戒処分に当たらないと判断。
翌年9月に「不適切な指導だった」として文書訓告にとどめました。
県教委は「総合的な判断」と説明していますが、対応の軽さに疑問の声も上がっています。


「指導」と「暴力」の境界をどう引くか

事件当時、教諭と生徒は2人1組での「掛かり稽古」を行っていたとされます。
体育・部活動における「厳しい指導」はいまだ残る文化ですが、身体的接触を伴う指導は暴行と表裏一体です。
「教育的意図」があっても、相手に苦痛や恐怖を与えた時点で暴力とみなされるべきです。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──教育現場の「指導文化」を再構築する

今回の事案は、「教育のため」という名目が暴力を正当化してしまう構造を示しています。
KCPは、部活動や体育指導を安全に行うために、次の三点を提言します。

① 指導行為の可視化とルール化

身体接触を伴う指導の基準を明文化し、映像記録や第三者確認を制度化します。

② 部活動ガバナンスの再構築

教育委員会が部活動安全指針を設け、監督責任を校長・顧問で共有します。

③ 被害対応の透明化と再発防止

被害届提出後は、処分の過程と理由を公表し、教育現場の信頼を取り戻します。


結語:「熱血指導」を理由に暴力を許さない社会へ

「厳しさ」は教育の一部でも、「暴力」は教育の否定です。
指導者が信頼されるのは、恐怖ではなく誠実さによってです。
KCPは、教育現場が生徒・教員双方の安全を守る仕組みを整え、暴力のない「指導文化」の確立を支援していきます。

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