2025.11.02

串間市・福祉事務所の所長が部下にパワハラ──大声で威圧的叱責、停職6カ月処分に

【出典】UMKテレビ宮崎(2025年10月31日配信)
大声で威圧的に叱責 串間市・福祉事務所の所長 パワハラで停職6カ月


串間市福祉事務所の所長がパワハラで停職6カ月

宮崎県串間市は31日、10人以上の部下に対してパワーハラスメントを行ったとして、総合保健福祉センター福祉事務所の所長(51)停職6カ月の懲戒処分にしました。
市によると、所長は2024年4月から2025年9月まで、業務上のミスなどを理由に部下へ大声で威圧的に叱責するなど、職場の心理的安全性を著しく損なう行為を繰り返していました。


部下2人が体調不良で休職、放置した職員にも処分

パワハラを受けた部下のうち2人が病気休暇を取得。また、市はパワハラを把握しながら放置した別の2人にも管理上の責任があるとして、それぞれ3カ月と1カ月の減給処分を科しました。
組織内での不適切な言動を見過ごす「沈黙の共犯構造」が、被害を拡大させた形です。


市長「市民の信頼を裏切った」 組織再発防止を表明

武田浩一市長は「誠に遺憾であり、市民の信頼を裏切ったことを心よりお詫び申し上げます」とコメント。
市は今後、職員向けのハラスメント防止研修と、外部相談窓口の設置を進める方針です。
市民福祉を担う組織での不祥事に、市政全体の信頼回復が問われています。


公的機関に広がる「声の暴力」──上下関係が生む沈黙

今回の事案は、権力を持つ管理職による言葉の暴力が、組織を麻痺させる典型例です。
福祉行政の現場では業務負荷や感情労働が重なり、上司の叱責が「指導」として正当化されやすい構造があります。
「声の大きさ」が影響力と誤解される文化を変えることが、再発防止の鍵となります。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──沈黙の共犯を防ぐために

KCPは、組織的ハラスメントを防ぐには、上司だけでなく「見て見ぬふりをしない」仕組みが重要だと指摘します。
次の三点を提言します。

① 通報ルートの複線化と匿名性の確保

上司以外へ直接通報できる外部窓口を常設し、報復のリスクを排除します。

② 管理職への感情マネジメント研修

叱責ではなく、対話で育てる指導法を学ぶ実践型プログラムを導入します。

③ 職場風土のモニタリング制度

年1回の職場環境サーベイを実施し、組織の心理的安全性を可視化します。


「叱る」より「支える」へ、福祉職場の再出発

福祉を支える現場こそ、職員一人ひとりが尊重される場であるべきです。
声を荒げるリーダーシップではなく、支えるリーダーシップへ。
KCPは、公的機関の現場が「信頼で動く組織」へと変わるための制度と文化づくりを支援していきます。

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