2025.11.02

伊澤タオル社長にパワハラ認定──「ボケェ、アホか」“怒号の朝礼”で報酬半減6カ月、第三者委が再発防止を提言

【出典】文春オンライン(2025年11月1日配信)
《パワハラ認定で社長が報酬半減6カ月》伊澤タオル社長の“パワハラ朝礼”「ボケェ、アホか」「5時間でも6時間でもやるよ」


第三者委員会がパワハラ認定 伊澤社長は報酬50%返納

東証スタンダード上場企業の伊澤タオル(代表取締役社長・伊澤正司)は10月30日、社内で発生したパワーハラスメント問題に関する調査結果を公表しました。
第三者委員会は社長による暴言・威圧的言動の事実を認定。取締役会は伊澤社長の留任を決定しましたが、報酬の50%を6カ月間自主返納する処分を発表しました。


「ボケェ、アホか」“パワハラ朝礼”の音声が明るみに

週刊文春の報道によると、伊澤社長は複数の朝礼で社員に対し、「ふざけるな」「ボケェ、お前、アホか」「5時間でも6時間でもやるよ」などと怒鳴りつけていました。
音声記録には「クソ甚だしい」「お遊戯やってんのか」などの発言も含まれており、第三者委員会は継続的なパワハラ行為として認定しました。


急成長企業の陰にあった“恐怖のマネジメント”

伊澤タオルは「タオル研究所」などの人気ブランドで知られ、売上高は2010年比で12倍。
日用品市場で急成長を遂げた一方、社内では長時間の朝礼威圧的指導が常態化していたといいます。
経営トップの圧力が現場にストレスを与え、労働環境の悪化を招いていた実態が浮き彫りになりました。


社長「受け取る側の感じ方もある」──責任の所在は

伊澤社長は取材に対し、「自分としてはそういう認識はないが、受け取る方の感じ方もある」とコメント。
一方、元社員からは「社長の前では誰も発言できなかった」「ミスをすると公然と叱責された」との証言が出ています。
第三者委員会は、社長の行為が組織文化に深刻な影響を与えたと指摘しました。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──トップの言葉が文化を決める

経営者によるパワハラは、組織全体の風土を歪める「構造的暴力」です。
KCPは、再発防止と信頼回復には以下の三点が不可欠だと考えます。

① トップマネジメントへの外部監査

経営者自身の行動を監視・助言する倫理委員会を設置し、第三者評価を制度化します。

② ハラスメント防止を経営指標に組み込む

売上・利益と同様に、組織の心理的安全性をKPI(評価指標)として設定します。

③ 現場との対話の再設計

トップダウンの朝礼文化を見直し、対話型ミーティングで現場の声を吸い上げる仕組みを整えます。


結語:「叱責」ではなく「信頼」で動く組織へ

言葉の力は、組織を動かす最大の資源であり、同時に最大のリスクです。
経営者の一言が社員を鼓舞もすれば、壊すこともあります。
KCPは、叱責や恐怖でなく「信頼と尊重」で動く企業文化の確立を支援し、ハラスメントのない経営を社会全体に広げていきます。

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