2025.04.12
日本パラバドミントン連盟幹部にパワハラ疑惑。アスリートの尊厳と安全を守る制度設計と【雇用クリーンプランナー】
■ ニュースの概要・引用元の紹介
ニュースURL: 産経新聞
引用内容:
2025年4月11日、パラバドミントンの日本代表を含む複数の選手が、日本パラバドミントン連盟幹部によるパワーハラスメント行為を訴えていることが明らかになった。昨年秋に日本パラスポーツ協会(JPSA)に相談が寄せられ、選手自身が実施したアンケートの結果も提出されたという。日本パラバドミントン連盟側は現時点で取材に応じていない。
■ 問題点の把握
本件は、競技団体の幹部という「立場の強い者」が「アスリート」という評価を受ける側の立場にある人々に対して、権限を濫用していた可能性がある典型的なパワーハラスメント事案である。選手が連盟内での訴えではなく、外部である日本パラスポーツ協会に相談したことからも、連盟内の相談体制に信頼性が欠如していたことがうかがえる。
■ 問題点・深刻化する理由
- 上下関係が絶対的な競技構造
スポーツ団体では、指導者や幹部と選手との関係に上下関係が強く、言動に対する異議申し立てが難しい構造が存在する。そのため、選手側は声を上げにくい。 - 競技団体内の相談機能の不全
連盟ではなく外部機関に相談されたことから、選手が安心して内部通報できる環境がなかったことが示唆される。これでは未然防止も早期対応も難しい。 - 競技成績への影響という“沈黙の圧力”
幹部に評価権限がある場合、選手にとっては“報復”を恐れて不正を指摘できないという心理的バリアが生まれる。沈黙の構造は組織の腐敗に直結する。
■ 雇用クリーンプランナーの視点でみる具体的な対策
スポーツ組織においても、雇用クリーンプランナー的な視点――すなわち「相談しやすい環境の整備」「権限構造の透明化」「第三者機関の機能強化」などが不可欠です。
● スポーツ組織の“ガバナンスコード”に基づく通報制度の強化
内部通報制度を単なる“設置”ではなく、匿名性の確保、報復防止、外部窓口との連携を含めた“信頼される制度”へと昇華させる必要があります。
● 権限を持つ者への定期的なコンプライアンス研修の義務化
幹部・指導者には、指導とハラスメントの境界を明確に学ばせる研修を義務化し、言動の重みとリスクを自覚させる制度設計が重要です。
● 第三者による独立調査制度の常設化
ハラスメント通報があった際には、所属団体が調査を主導するのではなく、第三者機関が独立して調査を行うスキームが必要です。特にパラスポーツのように社会的信頼を前提とする分野では透明性が欠かせません。
■ まとめ(読者への注意喚起・アドバイス)
今回の問題は、「アスリートの立場の弱さ」と「団体内相談体制の不備」が重なった結果です。スポーツの価値は「フェアネス」にあります。内部告発が“キャリアを捨てる覚悟”を伴う現状を放置することは、組織そのものの信頼性を損ないます。読者の皆さんの職場でも、相談体制やハラスメント研修、通報後の保護体制が機能しているか、改めて見直す機会としてください。
■ 「雇用クリーンプランナー」資格取得のススメ
「雇用クリーンプランナー」は、スポーツ組織を含めたあらゆる職場で、ハラスメントの予防・対応・研修を担える専門資格です。ガバナンスが求められる現代社会において、法令順守と心理的安全性を両立させる仕組みづくりに貢献できます。スポーツ・教育・医療・自治体など、あらゆる領域で活用されています。
公式サイト:https://caa.or.jp
※本記事は一般的な見解に基づくもので、特定の法的アドバイスを提供するものではありません。
ハラスメントや労務トラブル等でお困りの場合は、弁護士や各自治体の相談窓口にご相談ください。