2025.11.04

札幌の私立幼稚園で教職員8人が一斉退職──園長の暴言疑惑、説明不足に保護者が不安の声

【出典】STVニュース北海道(2025年11月3日配信)
幼稚園教職員ら8人一斉退職 園長の暴言が理由か?保護者へ通知は退職前日 説明会実施も不安の声


教職員8人が同時退職、保護者へ通知は退職前日

札幌市南区の私立札幌梅香幼稚園で、10月31日付で教職員7人と事務員1人の計8人が一斉に退職していたことが分かりました。
園側が保護者に知らせたのは退職のわずか前日で、保護者の間では「子どもの預け先が決まらない」と混乱が広がっています。
園長は「管理不行き届きで心配をかけた」と謝罪する一方、「暴言などの発言はない」と疑惑を否定しました。


退職理由は「園長の暴言」? 説明に食い違い

複数の関係者によると、退職した職員らは園長の威圧的な言動不適切な発言を問題視していたとされます。
一方、園長は「納得できない」「そうした発言はしていない」とコメント。
職員と園長の間で認識のずれが生じ、職場環境の悪化が深刻化した可能性があります。


説明会で不信感、「園長の言葉が信じられない」と保護者

11月3日に開かれた説明会では、園側が「職員補充で運営は継続する」と説明しましたが、
採用人数や再開体制の詳細が明らかにされず、保護者からは不信と不安の声が相次ぎました。
「転園を検討している」「子どもが動揺している」との意見も出ており、家庭にも大きな影響が広がっています。


労基署が複数の法令違反を指摘、是正勧告も

STVの取材によると、同園には賃金未払いなどの法令違反があり、労働基準監督署から是正勧告を受けていたことも判明。
退職騒動の背景には、長時間労働や管理体制の不備など、構造的な問題があったとみられます。
園運営の透明性と安全性が問われる事態となりました。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──教育・福祉現場の「沈黙の構造」を解くために

教育や保育の現場で起きるハラスメントは、被害者が子どもや保護者への影響を恐れて声を上げにくいという特徴があります。
KCPは、こうした「沈黙の構造」を防ぐために、以下の三点を提言します。

① 外部通報制度と職員相談ルートの独立化

園長・理事会を経由せず、外部の第三者機関へ匿名で相談できる仕組みを整える。

② 職場環境監査と労務透明化

労基署による是正だけでなく、第三者監査を定期的に行い、勤務実態を公表する。

③ 保護者との情報共有ルール策定

退職・トラブル発生時には保護者説明のタイミングと内容を明文化し、信頼を維持する。


「教育の場」は信頼の場でなければならない

保育・教育現場における最優先事項は、子どもと保護者の安心です。
大人の対立や不信が、子どもたちの不安として跳ね返ります。
KCPは、学校・園が「信頼でつながるチーム」として再構築されるよう、仕組みと対話の両輪で支援していきます。

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