2025.07.23
「フタハラ」とは?――二人目ハラスメントを防ぐためのポイントと職場の最新対策|雇用クリーンプランナー
「一人っ子でいいの?」「そろそろ二人目は?」──こうした言葉が知らず知らずのうちに当事者を追い詰めることがあります。
フタハラ(2人目ハラスメント)とは、二人目以降の妊娠・出産を他者が過度に煽ったり、逆に制限・批判したりする言動の総称です。
子育て環境やキャリア設計が多様化する今、フタハラは職場・家族・地域どこにでも潜むリスクとなっています。本稿では定義・発生要因・被害事例・対策をまとめました。
■ 1. 定義と具体的なハラスメント例
フタハラは「二人目を産む・産まない」という個人の選択に対し、社会的・経済的プレッシャーや差別的取扱いを行う行為です。
代表的なパターンを挙げます。
- プレッシャー型:「年齢的に急がないと」「お兄ちゃんが可哀想」など心理的圧迫。
- キャリア制限型:上司が「二人目なら時短は困る」など昇進や配置換えを示唆。
- 経済偏見型:「二人目なのに共働き?」とライフスタイルを批判。
- ネガティブ評価型:二人目妊娠を機に「責任感が足りない」など人格を否定。
■ 2. 発生背景と3つの構造的要因
- 固定的家族観:「二人が標準」という無意識バイアス。
- 制度と運用のギャップ:育休・保育サービスは整備されつつあるが、職場の運用ルールが追いついていない。
- 情報格差:支援策や保険・助成の最新情報が上司・同僚に共有されておらず、誤解が差別を助長。
■ 3. 被害がもたらす3つのリスク
| 領域 | 主な影響 |
|---|---|
| メンタルヘルス | 不安障害、産前産後うつ、自己肯定感の低下 |
| キャリア | 昇進停滞、配置転換、職場復帰の遅延 |
| 組織 | 離職率上昇、職場の心理的安全性低下、企業イメージ毀損 |
■ 4. よくあるフタハラ事例
- 事例① 30代女性社員が2人目希望を上司に相談したところ「代替要員がいない」と昇格候補から外された。
- 事例② 男性社員が第二子誕生で育休を申請したところ「一家の大黒柱が休むの?」と嘲笑された。
- 事例③ 義両親が「二人目まだ?」と頻繁に連絡し続け、夫婦関係が悪化した。
■ 5. 組織で実践したい5つの施策
- 就業規則への明記:「二人目妊娠・育児に関する差別的言動禁止」を明文化。
- 相談窓口の整備:雇用クリーンプランナー等の専門資格者が一次対応。
- 育休・短時間勤務の柔軟運用:性別・子どもの人数にかかわらず利用しやすい制度を周知。
- 管理職研修:フタハラを含む家族形成ハラスメントのロールプレイ研修を実施。
- 数値開示:育休取得率や復帰後昇進率を社内外へ公表し透明性を確保。
■ 6. 当事者・同僚としてできること
- 気になる発言は「その言い方は少し負担です」と境界線を言語化。
- 証拠保全:発言メモ・メール・チャットのスクリーンショットを保存。
- 専門窓口へ相談:社内ハラスメント窓口、自治体の労働相談、産婦人科・助産師相談窓口を活用。
■ 7. 活用できる主な制度
- 育児・介護休業法:男女ともに育休分割取得可(2022改正)。
- 両立支援等助成金:職場復帰プラン策定で最大57万円。
- 企業主導型ベビーシッター制度:一時保育1時間220円から利用可。
■ まとめ――「二人目」は強制でも義務でもない
フタハラをなくす第一歩は「子どもの人数もタイミングも各家庭が決めるもの」というシンプルな原則を共有することです。
組織は制度と文化の両輪で支援を整え、個人は境界線を言語化しつつ相談ルートを確保しましょう。
誰もが安心してライフイベントを選択できる社会へ向けて、今日から「フタハラゼロ」の職場づくりを始めてみませんか。
