2025.07.21
心理的安全性とは何か──イノベーションを生む土台を“ゼロハラスメント”から築く|雇用クリーンプランナー
「言いにくいことほど、真っ先に言える」。
そんな空気を持つチームはエンゲージメントと創造性が高く、離職率も低いことが数々の研究で示されています。
キーワードは心理的安全性(Psychological Safety)。
本稿ではその定義と歴史的背景、科学的エビデンス、日本企業での陥りやすい罠、そして測定と向上の実務フレームを詳解します。
■ 1. 心理的安全性とは?
ハーバード大教授エイミー・C・エドモンドソンは1999年、心理的安全性を
「チームにおいて対人リスクを取っても罰せられないという共有された信念」
と定義しました。
2015年、Googleの社内研究「プロジェクト・アリストテレス」が“成果の高いチーム共通要因の第1位”に挙げたことで一気に世界へ拡散。
今ではダイバーシティ推進・ハラスメント対策・健康経営と並ぶ、人的資本経営の主要KPIとなっています。
■ 2. 何がどう良くなるのか?──主な研究結果
| 研究 | 対象 | 主要成果 |
|---|---|---|
| Edmondson (1999) | 医療チーム | 心理的安全性が高いチームほどエラー報告件数は多いが、致命的事故は少ない。 |
| Google (2015) | 180チーム | 売上・品質・満足度が高いチームで心理的安全性が顕著に高かった。 |
| MIT & Carnegie Mellon (2020) | ソフトウェア開発 | 安全性が高いとイテレーション速度+25%、バグ率▲30%。 |
| Keio Univ. (2024) | 日本企業200社 | 安全性スコア上位25%企業は離職率が平均7.4%→4.1%に低減。 |
■ 3. 日本で機能しにくい理由
- 過度な同調圧力:「空気を読む」が対人リスクを増幅。
- 失敗ゼロ文化:減点主義でエラー共有がタブー化。
- 擬似心理的安全性:仲良しムード=安全と誤解し、建設的対立が避けられる。
■ 4. ハラスメントゼロが土台
心理的安全性は「不安や恐怖がない状態」を前提とします。
パワハラ・セクハラ・カスハラを放置したまま“自由に意見を言え”と言っても、心理は安全になりません。
ハラスメント防止(守り)+安全性向上(攻め)は両輪で進める必要があります。
■ 5. 測定方法とダッシュボード化
- エドモンドソン式 7問スケール(例:「このチームではミスを話しやすい」)
- Google re:Work 職場診断:15問×Likertで無料利用可。
- エンゲージメントサーベイ連携:安全性サブスコアを離職率・KPIとクロス分析。
■ 6. 具体施策──4Cモデル
| 領域 | キードライバー | 実務アクション例 |
|---|---|---|
| Clarity(明瞭性) | 目的と役割が明確 | RACI・OKRを全員で確認、スプリントレビュー |
| Curiosity(好奇心) | 質問・対話が奨励 | ワンワン・ブレストで「未完成アイデアOK」を宣言 |
| Candor(率直さ) | 建設的フィードバック | SBIモデルで事実→影響→提案を3分で共有 |
| Compassion(共感) | 失敗に共感し支援 | ポストモーテムで「責任追及禁止宣言」→学び共有 |
■ 7. 成功事例ハイライト
製薬会社D社は、心理的安全性スコア最下位だった研究開発部門で「Clarity+Candor」重点施策を実施。
6か月後に新規アイデア提出数が2.3倍、期日遅延プロジェクトが▲45%に改善。
■ 8. 資格学習でリスクマネジメント×安全性向上
雇用クリーンプランナーはハラスメント100類型と対応フローを学ぶ資格。
資格保持者が相談窓口に立つことで、「不安の除去」→心理的安全性の下支えが可能になります。
■ 9. まとめ──「言いにくい」をなくす設計図
心理的安全性は単なる“居心地の良さ”ではなく、挑戦と学習を高速で回す組織OSです。
ゼロハラスメントを土台に、Clarity・Curiosity・Candor・Compassionの4Cを回し、進化し続けるチームを育てましょう。
あなたの一声が、挑戦を歓迎するカルチャーの第一歩です。
