2025.08.11
「就活セクハラ」問題から学ぶ最新のハラスメント対策【雇用クリーンプランナー解説】
「就活セクハラ」問題で防止措置が企業の義務に
1. ニュース概要
URL: 日本経済新聞
要点:就職活動時のセクハラ(就活セクハラ)が深刻化。OB・OG訪問や私的なやり取りでの誘い・性的発言などが問題となり、均等法の改正で就活生を含む求職者への防止措置が事業主の義務に。外部相談窓口の設置、夜間面会・飲酒・私的連絡先交換の禁止などを明文化する企業が増えている。
2. 問題点の把握
就活セクハラは、企業と学生の間に雇用関係がない段階で発生しやすい点が特徴です。採用権限を握る側の優越的地位が働き、学生は「選考に不利益が出るのでは」と告発をためらいがち。さらに、インターンやリクルーター面談、OB・OG訪問、メッセージアプリでの個別連絡など、業務と私生活の境界が曖昧な場で発生するため、従来の職場内ハラスメント以上に「発見・記録・是正」が難しくなります。結果として、学生側はキャリア機会を失い、企業側は採用ブランディング毀損・炎上・内定辞退増・優秀層の獲得機会喪失という労務トラブルに直結します。
3. 問題が深刻化する理由
- デジタル拡散リスク: SNSや掲示板、就活アプリ、まとめサイトなどによって、好ましくない言動が一度拡散されると“消えにくい記憶”になります。匿名情報でも企業名・個人名と結びつけば、風評・採用競争力の長期的低下を招きます。
- 法制度の空白: 職場内のパワハラやセクハラは法令・指針が整備されつつある一方、就活生は雇用関係外であるため、従来は内部規程の対象外になりがちでした。改正均等法で方針は前進しましたが、具体の運用(面会ルール、通報ルート、記録フォーマット、再発防止)が未整備の企業は依然少なくありません。
- 現場の対応不足: 採用担当・現場社員・OB・OGなど多主体が学生と接点を持つのに、統一ルール・研修・記録様式・広報方針がバラバラだと、初動が遅れ、二次被害(晒し、誹謗中傷)やエスカレーション不全を招きます。
4. 雇用クリーンプランナーが勧める対策
● 証拠を残す(可視化と保存で自衛・抑止)
就活セクハラは「言った/言わない」になりがちです。面談は原則オンライン(録画可)か会議室で2名以上対応、やむを得ず1対1なら議事メモ雛形を使い、日時・場所・テーマ・所要時間・参加者・結論を即時記録。学生とのメッセージは会社公式アカウント(ログ保存型)を使い、私用SNS・個人LINEは禁止。相談受付はメール自動振り分けとチケット化(受付番号付与)で証跡化。
参考:厚生労働省「あかるい職場応援団(ハラスメント対策総合情報)」公式サイト
● マニュアル整備(採用特化のルールを明文化)
採用版ハラスメント指針を別冊化し、以下を明記します。
・面会は平日日中、飲酒・夜間を禁止、個室NG・会食は複数名
・私的連絡先交換禁止、会社ドメイン・公式ツールのみ使用
・恋愛・容姿・身体・家族・信条に関する質問や冗談は全面禁止/違反例の具体列挙
・OB・OG対応ルール(会社主催の枠内で実施、録音・議事メモ、費用精算ルール)
・学生の不利益取扱い禁止と報復の明確化、是正手順、第三者委員会の設置要件
・外部相談窓口(弁護士/専門機関)への直通導線と、匿名通報の可用化
参考:厚労省 雇用環境・均等局情報 公式ページ
● メンタルケア連携(学生・社員の双方を保護)
被害が疑われる学生や関わった社員に対し、48時間以内に外部EAPや公認心理師の面談を案内。学生側には大学のキャリアセンター、公的窓口(例:法務省「みんなの人権110番」、地方労働局の雇用相談)を周知。社員側には「無自覚加害」を防ぐ教育(境界線、同意、権力勾配、オンライン言動の永続性)を年次必修に。
● 研修・評価・広報(制度を運用に落とす)
・研修:採用関係者全員(現場面接官・OB/OG・人事BP・役員)に年1回の必須研修。ケーススタディ+ロールプレイで「OK/NG」を身体化。
・評価:面接官のハラスメントリスク評価(苦情率・通報率・逸脱フラグ)を人事評価に反映。
・広報:学生向けページに就活セクハラの定義・禁止行為・通報先・不利益なしの宣言を掲出。採用応募者に同意確認をとり、“ルールは守るが本音は聞く”と伝え、心理的安全性を確保します。
● AIを活用した対策
・ガイドラインとFAQ、相談フロー、窓口情報を公開します。
・社内ナレッジにも最新版の雛形・手順を集約。誤指示や旧版のコピペ流通を防ぐため、版管理と承認ワークフローを徹底します。
5. まとめ & 行動提案
就活セクハラは、被害者のキャリアを奪うだけでなく、企業にとっても採用力・信用・収益を損なう重大リスクです。今日から以下をチェックしましょう。
①方針の見直し:採用専用のハラスメント指針は最新か/均等法改正に沿っているか。
②面会ルール:日中・場所・複数対応・飲酒禁止・私用SNS禁止を文書化したか。
③通報経路:社内外の窓口・匿名通報が機能しているか(受付番号で追跡できるか)。
④初動手順:一次保護(関係遮断)→事実認定→措置→再発防止→公表基準の順で動けるか。
迷ったときは、厚労省の資料や外部専門家(弁護士、社労士、公認心理師)を活用し、早期相談・早期記録・早期是正を徹底してください
6. 「雇用クリーンプランナー」資格案内
「雇用クリーンプランナー」は、ハラスメント対策と労務トラブルの未然防止・是正を実装する専門資格です。
・採用版ハラスメント指針の策定 ・面接官/OB・OG研修 ・外部相談窓口の設計・運用に直結。
オンライン完結・24時間学習可。詳しくは公式サイトへ:https://caa.or.jp
FAQ
- Q. 被害時の初動は?
- まず安全確保(連絡遮断・日程変更・同席者追加)→証拠保存(日時・場所・発言・スクショ・メッセージの原本)→社内外の窓口へ同時相談。相談しても選考に不利益は与えないことを企業側は明記・担保しましょう。
- Q. 誰でも資格を取れる?
- はい。年齢・職歴不問。人事・採用担当、現場面接官、大学キャリアセンター、スタートアップの経営層、学生支援NPOにも活用されています。
※本記事は一般的な情報に基づいて作成されたものであり、個別の法的助言を目的とするものではありません。具体的な案件は、弁護士・社労士・各自治体/教育機関の相談窓口や厚生労働省の相談窓口等へご相談ください。
