2025.08.12

長崎県アンケート「カスハラ被害4割」から学ぶ最新のハラスメント対策【雇用クリーンプランナー解説】

県アンケート「カスハラ被害4割」に

1. ニュース概要

URL: KTNテレビ長崎

要点: 県が今年3~6月に実施したアンケートでは、事業所195件中71件(36.4%)、労働団体411件中170件(41.4%)が過去1年にカスタマーハラスメント(カスハラ)を経験。内容は「暴言・説教」「大声・罵声・脅迫」「長時間クレーム・居座り」が中心。雇用主にカスハラ対策を義務付ける法改正が6月に成立し、2026年の施行が予定されると報じられました。

2. 問題点の把握

カスハラは、正当なクレームの範囲を超えた著しい迷惑行為です。店舗・コールセンター・窓口・医療福祉・運輸・自治体など、接客・対人援助を担う現場ほど被害が顕在化します。背景には、人手不足で一人あたりの対応負荷が高いこと、即時レス・神対応が当たり前と見なされる消費者側の期待、そしてSNSでの「晒し」文化が絡みます。結果として、従業員のメンタル不調・離職、現場混乱、訴訟・風評・炎上による労務トラブルと経営リスクの連鎖が起こり、早急なハラスメント対策の全社実装が不可欠です。

3. 問題が深刻化する理由

  • デジタル拡散リスク: 会話の切り取り動画や投稿が瞬時に拡散し、半永久的に残ります。事実関係が未確定でもブランド毀損は進行し、採用難・離職増・来店控えなど長期的な痛手につながります。
  • 法制度の空白: 職場内ハラスメントは整備が進む一方で、消費者⇄従業員の関係は線引きが難しく、現場判断に委ねられがちでした。法改正で事業主の体制整備が義務化される方向ですが、実務の運用(面会・退去要請・記録・通報・公表基準)まで落とし込めず、現場に迷いが残る企業も少なくありません。
  • 現場の対応不足: 「お客様最優先」の価値観が強い組織ほど、受忍限度の線引き、“ノー”と言う手順集団対応録音・記録警察・弁護士連携などの型が未整備です。ルールがないと属人的対応→二次被害(長時間拘束・炎上)→疲弊という悪循環に陥ります。

4. 雇用クリーンプランナーが勧める対策

● 証拠を残す(可視化が最大の抑止力)

まずは可視化と記録の徹底です。
・店舗・窓口・コールセンターに「通話録音・防犯カメラ作動」の周知表示を掲示(抑止効果)。
・クレーム一次対応は2名以上で同席、要点メモをリアルタイム共有。
クレーム記録票(日時/場所/対応者/相手の言動/こちらの対応/危険レベル/次のアクション)を標準化。
・長時間化・暴言・脅迫の兆候が出たら境界線を宣言(「この対応方針以外はお受けできません」)→退去/通話終了の手順へ。
厚労省「あかるい職場応援団」の資料・テンプレートを活用し、社内版に落とし込む。
※録音・映像利用は、就業規則・個人情報保護・掲示ルールに沿って運用してください。

● マニュアル整備(“ノー”と言うための会社ルール)

「顧客満足」と「従業員保護」を両立させるには意思決定の型が必要です。
カスハラ定義と具体例(暴言/脅迫/土下座要求/威嚇/私的情報収集/長時間拘束 など)を明文化。
・一次対応SOP:①安全確保 → ②傾聴(5分目安) → ③解決策提示 → ④境界線宣言 → ⑤終了宣言
・二次対応SOP:管理職への一本化・書面回答へ切替・出禁/警察/弁護士連携
・「3回ルール」等の打ち切り基準、通話終了/退去要請の言い回しを定型化。
・自治体・医療・教育など業種別シナリオを付録化(窓口/現場/夜間/独番時の対応)。
・社内教育は年1回必須。クイズ形式でNG/OKを判定し、体で覚える訓練を。

● メンタルケア連携(守る対象は顧客だけでなく従業員)

被害後48時間以内に、産業医・公認心理師・EAPの面談枠を案内。管理職には「無自覚加害」を避けるためのコーチング(境界線の引き方/言語化/エスカレーション判断)を提供。
・外部の相談資源:厚労省ハラスメント対策情報厚労省「こころの耳」(メンタルヘルス)、各都道府県労働局の総合労働相談コーナー等。
・緊急時(暴力・脅迫・営業妨害)は110番、非緊急の警察相談は#9110も選択肢です。
・被害者の希望に応じて、配置転換・在宅勤務・シフト変更など就業上の配慮を速やかに。

5. まとめ & 行動提案

カスハラは「特殊な一部の現場」の話ではありません。SNS拡散と人手不足の時代、どの企業・自治体も直面し得る経営課題です。今日からできる3ステップを提示します。
30分点検:通話録音・掲示・二名対応・打ち切り基準・通報先(#9110/弁護士)の有無を棚卸し。
90分ワーク:「暴言+長時間拘束」の想定ロールプレイを部署横断で実施。言い回しとエスカレーションを反復。
2週間スプリント:クレーム記録票の標準化、一次/二次SOPのドラフト化、周知ページ(社内/採用ページ)の公開。
迷ったら、早めに弁護士・社労士・産業医・公認心理師など専門家に相談を。参考資料は厚労省「あかるい職場応援団」をご確認ください。

6. 「雇用クリーンプランナー」資格案内

「雇用クリーンプランナー」は、ハラスメント対策労務トラブルの未然防止・再発防止を現場に実装する専門資格です。
・カスハラ対応マニュアル作成 ・現場ロールプレイ研修 ・外部相談窓口の設計・運用などに即活用可能。
オンライン完結、24時間いつでも学習可。詳しくは公式サイトへ:https://caa.or.jp

FAQ

Q. 被害時の初動は?
まず安全確保(複数対応・席替え・退去要請)。同時に証拠保存(録音・メモ・スクリーンショット)。その上で上長/コンプラへ即報告し、必要に応じて#9110/110番・弁護士へ。被害者の就業上配慮(シフト変更等)も忘れずに。
Q. 誰でも資格を取れる?
はい。年齢・職歴不問。人事・総務・現場責任者・相談窓口担当・自治体職員・医療福祉・小売/物流/コールセンターの方、学生支援機関にも選ばれています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法的助言ではありません。具体的な案件は、弁護士・社労士・産業医・公認心理師、各自治体や都道府県労働局の相談窓口、厚生労働省の公式情報(例:あかるい職場応援団)をご利用ください。法改正・運用は最新情報をご確認ください。

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