2026.01.19

熊本フリースクール「継続」表明。ハラスメント認定後に必要なのは“運営継続”ではなく「安全の再設計」|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】フリースクール運営の熊本私学教育支援事業団 今後も「スクール運営を継続」


熊本私学教育支援事業団が保護者説明会、「スクール運営を継続」と説明

フリースクールや通信制高校を展開する熊本私学教育支援事業団について、生徒へのハラスメントや職員への残業代未払いなどが発覚した問題を受け、事業団は2026年1月18日、保護者説明会を開き「スクール運営を継続する」と説明したと報じられました。

参加者によると、法人代表は「職員による生徒へのハラスメントがあった」ことを認めた上で、今後も事業継続の方針を示したということです。子どもにとっての受け皿を守る意思表示である一方、問われるのは「継続すること」そのものではなく、「継続に値する安全性と信頼をどう取り戻すか」です。


問題の背景──生徒ハラスメント、労務問題、職員退職が重なる

この法人をめぐっては、生徒に対するハラスメントが第三者委員会で認定されたことや、職員への残業代未払いなどの労務問題が報じられてきました。今回の報道では、労働環境や法人の対応を不服として、熊本市内で働く職員4人が2026年1月15日付で退職したことも伝えられています。

支援の場においては、子ども側の安全と安心だけでなく、支援者側の労働環境が安定していることが前提です。支援者が疲弊し、離職が続けば、子どもにとっての関係性も学びの継続性も揺らぎます。今回「継続」を表明したことで、むしろ次に問われるのは、再発防止と人材確保をどこまで具体的に実装できるかです。


分岐点:退職職員は新法人設立へ──支援の担い手が分裂するリスク

報道によると、退職した職員は、フリースクールや子ども食堂などを運営する新法人を1月末までに設立する予定とされています。つまり、同じ地域・同じ課題を対象にしながら、支援の担い手が分かれる可能性があります。

これは、保護者と子どもにとって選択肢が増える面がある一方で、支援資源が限られる地域では、運営人材・資金・信頼が分散し、結果として「どちらも苦しくなる」リスクも抱えます。支援の場は、理念の競争ではなく、子どもの安全と継続性の競争であるべきです。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──「継続するなら、何を変えるのか」を可視化しなければならない

フリースクールの継続は、子どもにとって大きな意味があります。ただし、ハラスメントが認定された後の「継続」は、通常の継続ではありません。雇用クリーンプランナー(KCP)の視点では、少なくとも次の3点を、保護者・子どもに対して分かる言葉で示す必要があります。

第一に、生徒の安全基準の再設計です。どの言動がハラスメントに該当し、何が禁止されるのか。指導と支援の境界をどこに置くのか。相談窓口はどこで、誰が受け、どの期限で調査し、どうフィードバックするのか。ここが曖昧なままの継続は、子どもにとって「また起きるかもしれない」不安を温存します。

第二に、職員の労務の最低ラインの整備です。残業代、有給、勤怠管理、相談体制。支援現場では「善意」や「使命感」で回りやすい分、労務が崩れたときに一気に崩壊します。支援者を守れない組織は、子どもも守れません。

第三に、ガバナンスと第三者性の確保です。第三者委員会の報告を踏まえ、運営側が何をどう変えたのかを、定期的に外部評価で点検する仕組みが必要です。「反省しています」ではなく、運用の変化を確認できる状態にすることが、信頼回復の最低条件になります。


結語:不登校支援の受け皿は、継続より先に「安心」を回復しなければならない

不登校支援の現場は、子どもがようやくつながった「居場所」です。だからこそ、運営が揺れたり、ハラスメントが起きたりすると、子どもは二重に傷つきます。「続けます」と言うことは重要ですが、その言葉が子どもの安心につながるかどうかは別問題です。

継続を選ぶなら、継続に足る仕組みを示す必要があります。一般社団法人クレア人財育英協会は、支援の現場が熱意や根性で回るのではなく、子どもと職員の安全を制度で守るガバナンスへ移行できるよう、再発防止と信頼回復の設計を支援していきます。

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