2025.09.20
フェアリージャパンからPOLAが消えた日──果たして疑惑か真実か
ハラスメント問題と企業の決断力
【出典】共同通信(2025年9月19日配信)
ポーラが新体操の協賛を解約 過度な指導やセクハラ問題視
スポンサーが下した「静かな決別」
化粧品大手ポーラが、日本体操協会とのオフィシャルパートナー契約を解消しました。背景には、新体操代表選手が訴えた「過度な叱責」と「セクハラ被害」の問題があります。2007年から続いた長期的な協賛関係を絶つという決断は、単なる契約解消以上の意味を持ちます。スポンサー企業が「心身ともに安心して競技に打ち込める環境が整っていない」と判断した瞬間、競技の象徴であった「フェアリージャパンPOLA」という呼称さえも消滅しました。
協会の「問題なし」評価と、企業の「NO」
日本体操協会は第三者機関の評価を根拠に「問題点は見当たらない」と主張し、強化本部長の続投を正当化しました。しかし、ポーラは別の基準で動きました。「事実確認ができない状況自体が支援の前提を欠く」との判断です。つまり、協会が「セーフ」と言っても、スポンサーは「リスク」と見たのです。この温度差こそが、いまのスポーツ界と企業社会の分岐点を映し出しています。
ハラスメント対応に求められる「透明性」
この一件は、スポーツ界に限らない普遍的な教訓を含んでいます。
・被害の有無を争点にするのではなく「安全な環境を確保できているか」が問われること
・法的にギリギリ「セーフ」であっても、社会的にはアウトと判断される時代であること
・企業は支援の正当性を「世論と倫理」で測ること
職場に置き換えれば、同じことが言えます。パワハラやセクハラを「確認できないから問題なし」と片付ける組織は、信頼を失います。むしろ「そう見られる状況」を放置すること自体が、最大のリスクとなります。
雇用クリーンプランナーの視点から
雇用クリーンプランナー(KCP)が研修で必ず伝えるのは、「ゼロハラスメント」よりも「疑念を放置しない」姿勢の重要性です。今回のポーラの決断は、まさにその実践例と言えます。企業にとっても、組織にとっても、信頼は一度失えば取り戻すのが難しいものです。リスクマネジメントの要諦は「事実認定」よりも「予防の設計」にあります。
まとめ──「支援する資格がある組織」とは何か
ポーラの解約は、新体操界に大きな痛手となります。しかしそのインパクトは、むしろ企業や組織に向けられています。「私たちの支援や協力は、誰を、どんな環境を支えるものなのか」。その問いを、いま改めて突きつけているのです。スポーツの現場も、企業の職場も、同じ問いにさらされています。あなたの組織は「支援するに値する安全な環境」を本当に備えているでしょうか。
