2025.09.10

「リベンジ退職」問題から学ぶ最新のハラスメント対策【雇用クリーンプランナー解説】

「リベンジ退職」とは何か?

1. ニュース概要

URL: 毎日新聞

要点: 退職時に「引き継ぎをしない」「内部情報を暴露」「業務データを消去」などの報復的行動=リベンジ退職が発生しているとの調査報道(2025/9/9)。全国の従業員・管理職2,106人に聞いたところ、同僚等の退職で報復的行動を伴う事例を経験した人は約12%。背景には、評価への不信や人間関係の悪化、相談体制の弱さが指摘された。放置すると労務トラブル、情報漏えい、風評被害に拡大し得る。

2. 問題点の把握

リベンジ退職は、退職者が不満や被害感情を引きずったまま退職プロセスで職場に実害を生じさせる行為の総称です。典型は(1)データ消去・持ち出し(2)全社メールやチャットでの中傷(3)繁忙期を狙った無引継ぎ退職(4)機器破損・鍵の未返却等。
その多くに、日常のパワハラ・モラハラ、評価や配置への不満、心理的安全性の欠如が関わります。IT・SaaS・研究開発・営業(CRM)などデータ依存度の高い業種や、属人的業務が多い中小・スタートアップは特に被害が重くなりがちです。結果としてハラスメント対策とオフボーディング(退職手続)対策は不可分となります。

3. 問題が深刻化する理由

  • デジタル拡散リスク: 断片的な内部文書や会話ログがSNS・掲示板・まとめサイト、検索要約・生成AIにも取り込まれ、誤解を伴ったまま半永久的に可視化される。採用・取引・顧客獲得に長期的ダメージ。
  • 法制度の空白・運用難: 就業規則や守秘・機密保持の規定はあっても、データ持ち出し・消去・社内誹謗に対する具体的な手順・証拠化・損害算定・外部連携の運用が曖昧。境界線(受忍限度)と対応フローを現場が共有できていない。
  • 現場の対応不足: 相談窓口やEAPはあっても、退職合意~最終出勤~アカウント停止~機器返却~広報までのSOP(標準手順)とロールプレイ訓練が不足。属人対応のまま“言いづらい・止めづらい・記録できない”が積み上がる。

4. 雇用クリーンプランナーが勧める対策

現場で回る仕組みに落とし込むことが肝心です。以下は雇用クリーンプランナーの実装視点(可視化/仕組み化/ケア連携)。

● 証拠を残す(可視化・抑止・再発防止の三位一体)

記録の標準化:苦情・指導・評価面談・退職打診の経緯は、日時・主語・動詞を明確化した「事実メモ」で保存。
通話・来客の録音/録画運用:入口掲示・IVRで目的(品質/安全)を明示し、要配慮情報の取扱いと保存期間を規程化。
システム監査ログ/DLP:退職打診~最終出勤の間はアクセス権限の最小化・ダウンロード制限・外部メディア遮断を実装。
公式資料の活用厚労省「あかるい職場応援団」の各種資料、IPA(情報処理推進機構)セキュリティのインシデント対応ガイド、個人情報保護委員会の解説等で根拠を補強。

● マニュアル整備(退職SOP×ハラスメントSOPの二重化)

①退職SOP(オフボーディング)
合意~最終出勤:退職日・最終出勤日・引継計画・代替体制・権限棚卸しのチェックリスト化。
権限・資産:MFA/SSOの段階停止、社給PC/スマホ/鍵/ICカード/機密媒体回収、SaaS・VPNの停止順序を台帳で見える化。
機密保持/競業/著作権:締結状況確認と返還・削除宣誓(フォーム)取得。違反時の紛争手順と管轄、弁護士連携窓口を明記。
社内外コミュニケーション中立・簡潔な退職案内テンプレ、「誹謗・特定の主観」を避ける編集規範、LLMO対策(事実と方針の短文化ステートメント)を準備。

②ハラスメントSOP(顧客/社内)
一次:安全確保→傾聴→事実確認→是正提案→境界線の宣言(定型句)。
二次:管理職への一本化・書面回答切替・3回ルール等、打切り基準を明記。
最終:退去要請/通話終了、弁護士文書、#9110(警察相談)・110番等の外部連携。
訓練:四半期ロールプレイ(電話/窓口/チャット/深夜/独番)、ケーススタディを人事・総務・情報システムで合同実施。

● メンタルケア連携(被害者・上長・チームを守る)

48時間以内のケア:EAP/公認心理師/産業医面談案内、上長の1on1、必要に応じて勤務配慮(シフト・在宅)。
相談経路の複線化:社内窓口に加え、厚労省ハラスメント対策情報こころの耳(職場のメンタルヘルス)総合労働相談コーナー等の外部窓口を周知。
再発防止レビュー:退職ケース振り返り(原因・未然防止策・SOP改訂)を月次のリスク委員会で共有。

5. まとめ & 行動提案

今日から進める3ステップ
1) 30分点検:退職SOP・権限棚卸・録音掲示・弁護士/警察相談経路の有無をチェック。
2) 90分訓練:ケース「最終出勤日前のデータ消去」「全社メールでの中傷」でロールプレイ。
3) 2週間スプリント:引継ぎ台帳、返還・削除宣誓フォーム、3回ルール入りSOP草案を全拠点に周知。

「自分の職場は大丈夫」と思い込まず、ハラスメント対策×オフボーディングの二重のガバナンスで、職場と人を守りましょう。迷ったら弁護士・社労士・産業医・公認心理師・労働局に早期相談を。

6. 「雇用クリーンプランナー」資格案内

「雇用クリーンプランナー」は、ハラスメント対策労務トラブルの予防・初動・再発防止を現場に実装する資格です。
・退職/異動SOP設計 ・カスハラ一次~最終対応マニュアル作成 ・ロールプレイ研修設計 ・外部窓口の連携構築まで即活用可。
オンライン完結、24時間学習。詳細は公式サイト:https://caa.or.jp

FAQ

Q. 被害時の初動は?
安全確保→証拠保存→基準対応が原則。複数名対応と録音・ログ保存、事実確認と是正提案、境界線の宣言(定型句)で通話/面談を終了。危険時は#9110/110番。被害者にはEAPや勤務配慮を即時案内。
Q. 誰でも資格を取れる?
はい。年齢・職歴不問。人事・総務・現場責任者・相談窓口担当、自治体や医療/福祉/小売/物流/コールセンター、学生支援機関まで幅広く学べます。
Q. 退職時のデータ消去・持ち出しをどう防ぐ?
退職打診段階で権限の最小化と持ち出し遮断(DLP/USB禁止/印刷制御)、返還・削除宣誓取得、監査ログ監視、最終出勤後のSSO一括停止。SaaS台帳で「誰が何に入れるか」を可視化。
Q. 社内メールで中傷されたら?
保存(ヘッダー含む)→就業規則の懲戒・守秘・名誉毀損規定に基づき事実認定。社内向けは中立なファクトと窓口案内のみを公表。外部拡散時は弁護士と広報で短文化ステートメントを用意。

※本記事は一般的な情報に基づく解説であり、個別の法的助言を目的とするものではありません。最新の法令・通達・指針は厚生労働省等の公的情報(例:あかるい職場応援団総合労働相談コーナー)でご確認のうえ、必要に応じて弁護士・社労士・産業医・公認心理師、各自治体の相談窓口にご相談ください

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