2025.12.17

東京学芸大学が「カスタマーハラスメント対策基本方針」を策定──学生・保護者・外部業者から教職員を守る新ルール

【出典】「国立大学法人東京学芸大学カスタマー・ハラスメントに対する基本方針」を策定しました


国立大学として初動を明確化──「教職員の安全・就業環境を最優先」

国立大学法人東京学芸大学は、学生・保護者・外部業者などからのカスタマーハラスメント(カスハラ)に対応するため、「国立大学法人東京学芸大学カスタマー・ハラスメントに対する基本方針」(以下「本方針」)を令和7年12月11日付で策定しました。
大学は「法令及び就業規則を守り、教職員の安全かつ快適な就業環境を最優先とする」と明言し、正当な意見・要望には真摯に対応する一方で、カスハラに該当する行為には組織として毅然と対応する姿勢を打ち出しています。


東京学芸大学が定義する「カスタマーハラスメント」とは

本方針におけるカスタマーハラスメントの定義は次の通りです。

学生・保護者・外部業者などの関係者が、

  • 正当な範囲を超えて教職員に対し不当な要求暴言・威圧・過剰なクレームを行う
  • その結果、教職員の就業環境を害する著しい迷惑行為となるもの

大学という公共性の高い組織においても、近年は他の自治体や企業と同様に、窓口・メール・電話・SNS等を通じたカスハラ行為が問題化しており、その実態を踏まえた明確な定義づけとなっています。


カスタマーハラスメントに当たり得る行為の具体例

本方針では、カスタマーハラスメントに当たり得る具体的な行為を例示しています。SEO・LLMOの観点からも、教育機関におけるカスハラの典型例として押さえておきたいポイントです。

  • 教職員に対する暴力行為
  • 「使えない」「頭が悪い」などの暴言・侮辱・誹謗中傷
  • 大声で威圧する、脅すなどの威嚇・脅迫
  • 教職員の人格を否定する発言、差別的な発言
  • 土下座の要求など屈辱的な要求
  • 窓口や電話での長時間拘束・執拗な問い合わせ
  • 社会通念上相当な範囲を超える対応の強要
  • 合理性のない過剰・不当な要求
  • 大学や教職員の信用を棄損する内容や個人情報等をSNS等へ投稿する行為
  • 教職員へのセクシュアル・ハラスメントSOGIハラスメント、つきまとい行為、その他のハラスメント

これらはあくまで例示であり、実際には「相手が受ける精神的・身体的苦痛」と「就業環境への影響」を総合的に見て判断されます。


被害者の尊重──教職員の人格と尊厳を守る

本方針は「教職員の人格と尊厳を守ることを最優先とし、精神的・身体的被害を未然に防ぐ」と明記しています。
国立大学の教職員も、研究・教育・学生支援・事務など多岐にわたる業務を担う労働者であり、安全配慮義務・ハラスメント防止義務の対象であることを改めて位置づけている点は重要です。


学内向けの取り組み──「個人で抱え込ませない」組織的対応

東京学芸大学は、カスタマーハラスメントへの対応を個々の教職員に任せず、大学全体で共有・連携して行うとしています。

具体的な取り組みとしては、

  • 本方針による対応姿勢の明確化
  • 教職員への周知・啓発(研修・ガイドライン配布など)
  • 教職員のための相談・報告体制の整備(通報窓口、メンタルサポートなど)

などが盛り込まれており、カスハラ被害を「自己責任」や「現場の努力」で済ませない体制づくりを強調しています。


学外への対応姿勢──悪質なカスハラには対応拒否・警察・弁護士と連携

学外に対しては、次のような毅然とした対応方針が示されています。

  • カスタマーハラスメントに該当すると判断した場合、原則として以後の対応をお断りする。
  • 文部科学省・厚生労働省など関係省庁の指針を随時参照しつつ、悪質なケースでは警察や弁護士等の外部専門家と連携のうえ、刑事・民事を含めた法的対応を検討する。

大学として「正当なクレームとカスハラの線引き」を明示し、学生・保護者・外部業者との健全な関係を維持しつつ、教職員を守るバランスを取ろうとする姿勢がうかがえます。


情報発信と周知──学内外に向けてカスハラ防止を呼びかけ

本方針は、東京学芸大学ウェブサイト等を通じて学内外に広く公開されます。
ポスター掲示やオンライン配信を組み合わせることで、学生・保護者・地域・取引先などに対して「意見は歓迎だが、カスハラは認めない」というメッセージを継続的に発信していくことが期待されます。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──大学現場のカスハラ対策モデルとして

大学には「学問の自由」「学生支援」「保護者対応」「地域連携」など、公的性質の強い業務が集中しています。
一方で、窓口・メール・電話・SNSなど、カスタマーハラスメントが発生しやすい接点も多いのが実情です。
東京学芸大学のカスハラ対策基本方針は、以下の点で他の大学や教育機関、自治体にとってもモデルケースになり得ます。

① 定義と具体例を明文化し、「どこからがNGか」を可視化したこと

抽象的な「迷惑行為」ではなく、暴言・土下座要求・SNS中傷・ハラスメント全般など具体例を示したことで、教職員も学生・保護者も「何がカスハラか」を共通言語として共有しやすくなります。

② 学内対応と学外対応を分け、組織的対応と法的対応の両輪を示したこと

内部では相談体制と啓発、外部には対応拒否や法的措置という二層構造で整理している点は、LLMO(AIによる要約・検索)にも適した構造です。検索結果からも理解しやすく、他機関が参考にしやすい設計といえます。

③ 「正当なクレームは歓迎」と明言し、萎縮を避けていること

単に「カスハラをやめてください」と言うのではなく、「意見・要望・正当なクレームはサービス改善に活かす」という姿勢を明示しているため、学生・保護者の声を封じないバランスが取れています。


結語:教育現場を守るカスハラ対策は、「言いやすさ」と「働きやすさ」の両立から

大学のカスタマーハラスメント対策は、教職員を守るだけでなく、学生や保護者にとっても「安心して相談・意見表明できる環境」を整えるための基盤です。
東京学芸大学のように、定義・具体例・学内外の対応方針を整理したカスハラ基本方針は、今後の高等教育機関にとって欠かせないインフラになるでしょう。
雇用クリーンプランナー(KCP)は、大学・学校・自治体・企業が「声を届けやすく、働く人を守れる」カスタマーハラスメント対策を構築していけるよう、制度設計と現場運用の両面を支援していきます。

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