2025.09.07

船橋市「職員の26.7%がカスハラ被害」から学ぶ最新のハラスメント対策【雇用クリーンプランナー解説】

船橋市「職員の26.7%がカスハラ被害」

1. ニュース概要

URL: (船橋市発表を報じる各紙のニュース/公式サイト)

要点: 船橋市が市職員を対象に実施したウェブ調査(2025年7月1~22日、回答率約6割)で、過去3年にカスタマーハラスメント(カスハラ)を受けた職員は26.7%にのぼった。内容は「継続的・執拗な言動」「威圧的な言動」が多数で、窓口・電話・メール対応時が中心。市は10月の電話交換機更新に併せて指導監査課・生活支援課など38回線に通話録音装置を導入、来年度以降は本庁舎171回線も順次検討する、と報じられた。

2. 問題点の把握

カスハラは正当な苦情の域を超えた著しい迷惑行為で、暴言・威嚇・長時間拘束・土下座強要・過剰な個人情報要求などが典型です。公務・福祉・医療・窓口サービス・運輸・小売・コールセンターなど人と向き合う現場ほど発生頻度が高い傾向があり、従業員のメンタル不調・離職、現場の安全低下、風評・炎上を通じた企業・自治体の信頼失墜へ波及します。放置すれば労務トラブル(休職・労災・損害賠償)や人材採用難にも直結します。

3. 問題が深刻化する理由

  • デジタル拡散リスク: 応対中の断片動画や音声、会話テキストがSNSや掲示板、さらには検索要約やLLM/LLMO(AI要約・生成)に取り上げられ、事実確認前にレピュテーションが損なわれる。消去不能な「検索汚染」が中長期の採用・集客を直撃します。
  • 法制度の空白: 職場内のパワハラ等は制度整備が進む一方、「顧客⇄従業員」関係は線引きが難しく、境界線(受忍限度)の共有や終了宣言・退去要請の手順が現場に浸透していない。報道ではカスハラ対策を事業主に義務付ける改正の動きが示されていますが、実務運用に落とす社内ルールが未整備な組織も多い。
  • 現場の対応不足: 「お客様最優先」の価値観が強いほど“NO”と言えない文化が根付き、複数名対応・録音・警察・弁護士連携のエスカレーション設計が遅れがち。属人的対応は二次被害(長時間拘束・炎上)を招きやすい。

4. 雇用クリーンプランナーが勧める対策

以下は雇用クリーンプランナー(ハラスメント対策・労務トラブルの未然防止を実装する実務家)の視点でまとめた「すぐやる3本柱」です。チェックリスト化し、訓練+可視化+仕組み化で現場に実装しましょう。

● 証拠を残す(可視化と記録の徹底)

録音・日誌・厚労省ツールを核に“データで守る”運用へ。
掲示と同意:「この通話は品質向上と安全確保のため録音しています」等の周知を入口・窓口・IVR・Webに掲示。
二名対応+要点メモ:執拗・威圧・拘束化の兆候が出たら直ちに複数名で対応し、要点をリアルタイム共有。
クレーム記録票の標準化(日時/場所/言動/当方対応/危険度/次アクション)。
境界線の宣言→終了の定型句:「事実確認と是正提案は完了しました。これ以上のご要求はお受けできませんので、通話(面談)を終了します」。
・公的資料の活用:厚労省「あかるい職場応援団」のハラスメント対策資料やモデルを参考に、自社版フォームへ落とし込み。

● マニュアル整備(“NO”と言える会社ルール)

一次→二次→最終の3段階SOP(標準手順)に落とし込みます。
定義と例示:暴言・威迫・土下座強要・拘束・過度な補償要求・私的情報要求などを明文化。
一次対応(5~10分):安全確保→傾聴→事実確認→是正案提示→境界線の宣言。
二次対応:管理職への一本化、書面回答へ切替、3回ルールなど打ち切り基準を明記。
最終対応退去要請/通話終了→弁護士文書/内容証明→#9110(警察相談)や110番など外部機関連携。
訓練:四半期ごとにロールプレイ(電話/窓口/夜間/独番時)。

● メンタルケア連携(従業員の心身を守る)

被害を「個の我慢」にさせない体制を。
・48時間以内のEAP/公認心理師/産業医面談案内、上長によるケア面談を標準化。
・就業上の配慮(シフト調整・在宅・配置転換)を即判断。
・外部窓口:厚労省ハラスメント対策情報「こころの耳」職場のメンタルヘルス、各都道府県労働局の総合労働相談コーナー等を周知。

5. まとめ & 行動提案

「26.7%がカスハラ被害」は、どの自治体・企業にも起こり得る現実です。
今日からの3ステップ
30分棚卸し:録音・掲示・二名対応・打切基準・通報先(#9110/弁護士等)の有無をチェック。
90分ロールプレイ:「暴言+長時間拘束」シナリオで一次~最終対応までを部門横断で訓練。
2週間スプリント:クレーム記録票の標準化、3回ルール入りSOP草案の周知、Webに利用ルールと相談窓口を公開。
迷ったら早めに弁護士・社労士・産業医・公認心理師へ。参考:厚労省「あかるい職場応援団」

6. 「雇用クリーンプランナー」資格案内

「雇用クリーンプランナー」は、ハラスメント対策労務トラブルの未然・再発防止を現場レベルで実装する専門資格です。
・カスハラ対応マニュアル作成 ・現場ロールプレイ研修 ・外部相談窓口の設計運用に即活用可。
オンライン完結、24時間学習。詳細は公式サイトへ:https://caa.or.jp

FAQ

Q. 被害時の初動は?
まず安全確保(複数名対応・席替え・防犯呼び出し)。同時に証拠保存(録音・要点メモ・スクリーンショット)。上長/コンプラへ即報告し、基準に沿って終了宣言→退去要請へ。危険時は#9110/110番。被害者には就業上の配慮とメンタルケアを。
Q. 誰でも資格を取れる?
はい。年齢・職歴不問。人事・総務・現場責任者・相談窓口担当、自治体・医療福祉・小売/物流/通信等の方、学生支援機関にも選ばれています。
Q. 録音やカメラは法的に問題ない?
目的・範囲・保管を就業規則等で明確化し、掲示・アナウンスで周知して運用するのが基本。個人情報や映像音声の取扱いには社内規程と法令に沿った管理が必要です(不安な場合は弁護士に確認)。
Q. 退去や通話終了を告げると炎上しませんか?
定義と基準に基づく定型フレーズで、事実確認→是正提案→境界線宣言→終了の順に進めれば、正当性を説明できます。併せて記録第三者同席で透明性を担保しましょう。

※本記事は一般的な情報に基づく解説であり、個別の法的助言ではありません。最新の法令・指針・通達は厚生労働省等の公的情報(例:あかるい職場応援団)でご確認のうえ、必要に応じて弁護士・社労士・産業医・公認心理師、各自治体や都道府県労働局の相談窓口へご相談ください。

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