2025.02.15

年度末に増える雇い止めと退職勧奨のリスク。連合の一斉電話相談会に見る労務トラブル対策の要点【雇用クリーンプランナー】

■ ニュースの概要・引用元の紹介

ニュースURL: NHK首都圏ニュース

引用内容:
連合(日本労働組合総連合会)が、年度末の雇い止めや退職勧奨が増えるおそれを踏まえて、全国一斉の電話相談会を開催。東京・港区の連合東京事務所では7名の担当者が電話を受け付けており、実際に「転職が決まっているにもかかわらず会社が引き継ぎ完了まで辞めさせてくれない」という相談が寄せられたという。連合側は「法律上、退職の意思表示を正しく行えば、会社が一方的に退職を拒否することはできない」とアドバイス。
さらに、セクハラやパワハラなどハラスメントの相談や、最低賃金を下回る給与に関する相談も多く、年度末を迎えるにあたって労働者の不安やトラブルが増加傾向にあるとみられている。
全国一斉電話相談会は2月13日・14日の午前10時から午後6時まで行われ、電話番号は0120-154-052。メールやLINEでの相談にも対応している。

■ 問題点の把握

年度末が近づくと、企業や組織における雇い止めや退職勧奨が増加する傾向があることは以前から指摘されています。新年度の人事異動や予算編成にあわせて、非正規雇用の労働者を中心に契約を更新しないケースが多発したり、業績不振を理由とした雇用調整が進められたりすることが背景にあります。

今回のニュースが取り上げたのは、そうした職場でのトラブルに加えて、セクハラやパワハラなどのハラスメント相談、さらには最低賃金を下回る給与が原因の不満や苦情が寄せられている事実です。多くの人が雇用管理や職場改善について悩む中、連合が行う全国一斉の電話相談会は、ハラスメント対策や労務トラブルの早期解決を促す場となっています。

特に、パワハラ防止法の施行後もなお、ハラスメント相談窓口を利用しづらい社内環境が残っている企業は少なくありません。退職の意思を示しても、一方的に引き止められたり、長時間にわたる引き継ぎを要求されたりする行為は労働者にとって重大なストレスとなり、適切な働き方改革が進まない原因にもなっています。

■ 問題点・深刻化する理由

  • 【年度末の雇用契約更新をめぐる不透明感】
    年度末は非正規雇用契約が満了を迎えやすい時期です。企業側が人員整理や業績不振によるコスト削減を図る際、更新を打ち切る(雇い止め)という手段を用いることが増えます。労働者側は、具体的な説明や十分な猶予がないまま契約が切られるため、労務トラブルへと発展しやすいのです。
  • 【退職勧奨と引き止めの矛盾】
    ある労働者には退職を勧奨し、また別の労働者には「辞めさせない」という二重基準が同時期に行われると、職場の士気や信頼関係が著しく損なわれます。企業側の都合で雇用管理が進められ、ハラスメントとも取れる形で引き止めが行われると、パワハラの疑いが高まります。
  • 【ハラスメント相談窓口の機能不全】
    セクハラやパワハラなどのハラスメント対策が不十分な職場では、被害者が相談しても改善が行われないケースが後を絶ちません。特に年度末の繁忙期には、管理職や人事担当の対応が後手に回りやすく、労働者の悩みが放置されることが、問題の深刻化を招いています。

■ 雇用クリーンプランナーの視点でみる具体的な対策

年度末の雇い止め、退職勧奨、ハラスメント対策に関する問題は、企業や組織が事前に備えておくことで大きなトラブルを防ぐことが可能です。ここでは、雇用クリーンプランナーの視点から、具体的な対策をいくつかご紹介します。

● 契約更新ルールの明確化と周知徹底

年度末に限らず、非正規雇用や有期契約社員に対しては、契約更新基準や手続き方法を明文化し、あらかじめ全員に周知しておく必要があります。曖昧な運用が横行すると、労働者が突然雇い止めを通告される事態が生じ、労務トラブルにつながります。
また、契約更新の可否については、できるだけ早い段階で本人に通知し、次の就職・転職の準備が十分にできるよう配慮することで、余計なトラブルを回避できるでしょう。

● パワハラ防止法に基づいた相談体制の強化

パワハラ防止法では、企業に対しハラスメント相談窓口を設置し、被害を受けた従業員が適切に相談できる体制を整えることを義務付けています。しかし、相談しにくい雰囲気や、相談しても改善されない風土があると、実効性は失われます。
雇用クリーンプランナーは、客観的視点から相談窓口の運用状況をチェックし、管理職への研修や外部専門家との連携を提案することができます。特に、退職勧奨や長時間の引き止めがパワハラに該当する可能性があるため、具体的な事例をもとに研修を行うことが望ましいでしょう。

● 組織全体での「予防的雇用管理」の実践

労務トラブルやハラスメントを“起きてから対処する”のではなく、“起きないように予防する”視点が欠かせません。たとえば、年度末には雇用契約の見直しや配属計画を立てる際に、労働者の立場や状況を考慮したうえで意思決定を行うようにしましょう。
そのためには、管理職や人事担当者だけでなく、現場のリーダーやスタッフにも「予防的雇用管理」の考え方を浸透させ、日頃からハラスメント対策に関する情報共有や職場改善に取り組む土壌を育むことが重要です。

■ まとめ(読者への注意喚起・アドバイス)

今回のニュースでは、年度末に増加する雇い止めや退職勧奨、さらにセクハラ・パワハラを含むハラスメント相談が数多く寄せられている現実が浮き彫りになりました。企業の都合で進められる人事異動や契約終了が、働く人々の生活基盤を脅かし、大きな労務トラブルに発展するケースも少なくありません。

自分の職場でも「退職したいのに引き止められる」「契約更新が突然打ち切られそう」などの問題が起こり得ると感じたら、早めにハラスメント相談窓口や労働組合、あるいは弁護士や公的機関へ連絡を取りましょう。特に、パワハラ防止法に触れるような行為が疑われる場合は、具体的な証拠(メールやメモなど)を整理しておくと、問題解決がスムーズに進む場合があります。

また、経営者や管理職の方は、年度末の繁忙期こそ労務管理体制を再点検し、ハラスメント対策や職場改善にしっかりと取り組むチャンスと捉えることが重要です。

■ 「雇用クリーンプランナー」資格取得のススメ

労務トラブルやハラスメントへの対処には、法律の知識や組織マネジメント能力が欠かせません。こうした専門スキルを体系的に学べるのが「雇用クリーンプランナー」資格です。

雇用クリーンプランナーは、パワハラ防止法や労働基準法だけでなく、ハラスメント相談窓口の設置・運営方法や、職場改善に関する実務的なノウハウを幅広く習得できます。企業や組織の人事担当や管理職がこの資格を取得することで、労務管理のリスクを低減し、働きやすい職場づくりを推進できるでしょう。

さらに、外部の社労士や労働相談員などが雇用クリーンプランナーの資格を取得すれば、企業へのコンサルティングやハラスメント対策に関するアドバイスを行う際に、より説得力と専門性をもって取り組むことが可能です。

公式サイト:https://caa.or.jp
年度末の雇い止めや退職勧奨をめぐる労務トラブルが絶えないいまこそ、雇用クリーンプランナーの専門知識が多くの現場で求められています。職場改善やハラスメント対策に本格的に携わりたい方は、ぜひ資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事は一般的な見解に基づくもので、特定の法的アドバイスを提供するものではありません。
ハラスメントや労務トラブル等でお困りの場合は、弁護士や各自治体の相談窓口にご相談ください。

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