協会サポーターのご紹介
2025.08.26
「安心感が成果を生む」
高校生が語る、
ハラスメントを学ぶ意味

衣川ひかり 氏
日吉ヶ丘高等学校 3年 女子剣道部主将
全国大会を目指す剣道部での日々と、迫る大学受験。その合間を縫い、「雇用クリーンプランナー」の学びに挑んだ高校3年生がいます。衣川ひかりさんです。
心理カウンセラーである父の影響もあり、幼い頃から「メンタル」という言葉に自然に触れてきた衣川さん。厳しい稽古と上下関係の中で磨かれた視点と、資格学習で得た新しい知識が交わることで、彼女は「安心感が成果を生む」「加害者と被害者だけではなく、社会にも責任がある」といった洞察にたどり着きました。
今回のインタビューは、沖縄での遠征合宿の合間に実現。高校生という立場を超えて語られる言葉は、働く大人にとっても深い示唆に満ちていました。
部活で気づいた「安心感が成果を変える」力
――高校生として「ハラスメント」という言葉をどう捉えていますか?
衣川:ニュースでは自殺や精神疾患にまでつながる深刻さが取り上げられます。でも実際には「真面目で一生懸命な人」が加害者になってしまう場面も多いと感じます。部下や後輩に頑張ってほしい思いが強すぎて、悪気なく厳しい言葉をかけてしまう。その結果、相手が深く傷ついてしまうのではないでしょうか。
私自身、剣道部で怒られると萎縮して試合の成績が下がる経験を何度もしました。逆に褒められると安心して挑戦できて、調子もどんどん良くなる。安心感があるかどうかでパフォーマンスは全く変わるのだと強く実感しました。これはスポーツに限らず、社会の職場でも同じだと思います。

「メンタル」と「ハラスメント」は違う
――心理カウンセラーのお父様からも影響を受けたそうですね。
衣川:はい。小さい頃から「メンタル」という言葉はとても身近でした。試合前に気持ちをどう整えるか、落ち込んだときにどう切り替えるかを父から自然に学んでいました。メンタルは「最後に勝負を決める力」だと教わってきたので、私にとってはポジティブな言葉なんです。
一方で「ハラスメント」はいじめや嫌がらせといったネガティブな響きが強く、当初は自分には関係ない言葉だと感じていました。でも資格を学んでみると、部活での上下関係や指導場面と結びつけて考えることができて、「自分の経験と直結している」と気づいたんです。
個人の問題ではなく「社会の責任」
――資格で学んで特に印象に残った内容はありますか?
衣川:最初は「加害者と被害者の問題」だと思っていました。でも「安全配慮義務」や「使用者責任」という法律を学んで、会社や社会にも責任があることを知ったんです。環境を整えられない組織そのものに問題があるという視点を持てたのは新鮮でした。
剣道部でも、先生の厳しい指導に納得できないことがあっても、単に「私が悪い」「先生が悪い」ではなく、上下関係や指導の仕組み全体をどう改善できるか、という視点で考えられるようになりました。これは社会に出ても活きる学びだと感じています。
知識は「後輩を守る言葉」にもなる。
――学んだことは日常でも応用できそうですね。
衣川:たとえば後輩が先生に怒られて落ち込んでいるとき、ただ「大丈夫だよ」と慰めるだけでなく、学んだ知識を踏まえた声かけができるようになったと思います。知識があることで、相手に寄り添う力に深みが出るんです。
また、自分自身が怒られたときも「全部が自分のせいではなく、環境や仕組みに要因がある」と理解していれば、必要以上に萎縮せずに受け流せます。一線を越えたときは「不快だ」ときちんと伝える勇気も持てる。知識は、成果を出すために安心感を取り戻すための武器にもなると実感しました。
将来は「守るリーダー」に
――この学びを将来どう活かしたいですか?
衣川:会社の外からサポートする立場や、組織の中で人をまとめ、率いることのできるリーダーを育成したいです。今回学んだ法律や制度の知識は、そうした役割に挑戦する自信につながりました。
安心感があることで本来の力を発揮できると思います。部活でも社会でも同じです。職場で直接の当事者でなくても、困っている人がいたら解決に手を差し伸べられる。そんな人材になりたいと思います。剣道部で後輩を励ました経験を社会に応用して、安心感を広げていけたらと思います。雇用クリーンプランナーで学んだことが、その第一歩になりました。
